脇汗で汗ジミができると見た目もにおいも気になって、何も手につかなくなってしまいますよね。
どうにかしたいけど、体質だから仕方ないな…と諦めている方に試していただきたいのが漢方での脇汗ケア。緩やかな作用で体質から整えてくれる漢方は、脇汗ケアにもぴったりなんです。
そこで今日は、汗をかいてしまう原因からおすすめの漢方、その他の脇汗ケアについて詳しくお話していきます。
目次
脇汗をたくさんかいてしまう原因とおすすめの漢方
一口に脇汗と言っても、汗をかく原因は様々です。まずは汗をかく原因ごとに、メカニズムとおすすめの漢方についてご紹介していきますね。
ストレスや緊張などの心理的要因
汗をかくメカニズム
大事なプレゼンや面接などの最中に緊張して、気がついたら脇汗がびっしょり出ていた、という経験はありませんか?ストレスや緊張、不安感などは、交感神経を優位にさせて発汗を促すんです。
こうした状況で出る汗は、暑い時に体温を下げようとして出る温熱性発汗とは異なり、精神性発汗と呼ばれています。
精神性発汗は脇や手足などに出ることが多いので、脇汗の主な原因のひとつと言えます。
おすすめの漢方
精神性発汗には、神経過敏や不眠などに効果のある、柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)がおすすめです。
肥満
汗をかくメカニズム
太りすぎは汗の量が増える大きな原因にあげられます。水太りでむくみがある方は、体の水分が増えすぎていることが原因で脇汗も目立ってしまいますよね。
自覚症状のある方は、体調管理をしっかりと行うことを意識してみましょう。
おすすめの漢方
胃腸の働きを促して余分な水(すい)の排出を促す防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)や、脂肪太りやむくみなどに効く防風通聖散(ボウフウツウショウサン)がおすすめです。
食生活の乱れ
・汗をかくメカニズム
動物性脂肪や香辛料を多く含んだ食べ物やカフェインは、汗腺を刺激して汗がたくさん出る原因となってしまいます。食べすぎ・飲みすぎには注意して、適量をおいしく頂くように心がけましょう。
おすすめの漢方
食べ過ぎや飲みすぎによる消化不良を整えてくれる平胃散(へいいさん)や、刺激物や脂っこいものを食べることで発生する余分な熱をとってくれる黄連解毒湯(おうれんげどくとう)、胃の不快感を整えてくれる茵陳蒿湯(インチンコウトウ)などがおすすめです。
睡眠不足
汗をかくメカニズム
睡眠不足は体調を崩したり疲れが溜まりやすくなり、ストレスを受けやすくなるので精神性発汗を引き起こす可能性が高まります。
また、睡眠不足になると自律神経と副交感神経のバランスが崩れてしまい、発汗のコントロールが乱れて脇汗が増えることも。しっかりと睡眠をとって、ストレスに負けない体に整えておきたいですね。
おすすめの漢方
睡眠不足からくる脇汗でお悩みの方には、気持ちを落ち着かせて不眠を改善してくれる柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、加味帰脾湯(かみきひとう)がおすすめです。
ホルモンバランスの乱れ
汗をかくメカニズム
女性の方の場合、月経や更年期などによってホルモンバランスが乱れることも、脇汗が増える原因となります。
例えば更年期に起こるホットフラッシュは、エストロゲンの分泌量の低下によって起こります。
ホルモンバランスの乱れは、生活習慣の見直しや専門医による治療で整えていくことができるので、気になるときは一度病院で診てもらうと良いでしょう。
おすすめの漢方
女性特有のホルモンバランスの乱れやのぼせをケアしてくれる、加味逍遥散(かみしょうようさん)や女神散(みょうしんさん)がおすすめです。
そもそも脇は汗腺がたくさんあるので汗が目立ちやすい
汗はエクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺から分泌されているのですが、脇はこの2つの汗腺が共存する部位なので、全身の中でも汗をかきやすい条件が整っています。
そして、汗には温熱性発汗と精神性発汗があるとお話しましたが、温熱性発汗はエクリン腺、精神性発汗はエクリン腺とアポクリン腺の両方から分泌されるので、脇は様々な原因での発汗が同時に起こる特殊な部位でもあるんですね。そのため、体の中でも脇汗が目立ってしまうんです。
専門家に相談して自分にぴったりの漢方を見つけよう
漢方は服用する人の体質によって効果の出方も全く異なってきます。自分で判断するのではなく、薬剤師や漢方を取り扱っている病院でしっかりと相談して、自分の体に合った漢方を服用するようにしましょう。
漢方以外でも!普段から取り入れたい脇汗ケア
漢方を服用し始めても体質が改善されるまでには時間がかかるので、漢方以外の脇汗対策も同時に行うとより効果的です
そこで続いては、いま脇汗を何とかしたい!という時におすすめの対策や、生活習慣の整え方についてお話していきますね。
汗を抑えるツボを押す
脇汗が気になり始めたら、汗を抑えるツボを押して発汗を抑えましょう。主なツボは以下の通りです。
後谿(こけい)
手をグーにした時に飛び出る小指の付け根部分
合谷(ごうこく)
手の親指と人差し指の骨がぶつかった部分
陰郄(いんげき)
小指側の手首の付け根から親指1本分下の部分
屋翳(おくえい)
乳首から指2~3本分上の部分
大包(だいほう)
腕組みをした状態で中指が触れる脇の真下の部分
脇汗パッドやインナーを使う
脇汗対策を始めたとしても、すぐに汗が止まるわけではないので、まずは出てくる汗をしっかり吸収してくれる脇汗パッドやインナーを使ってケアをしてあげましょう。汗ジミを防いでくれるので、お気に入りの服も守れて一石二鳥ですね。
太い血管のある部分を冷やす
保冷剤や冷えたペットボトルを使って、首の後ろや脇の下、太ももの付け根といった太い血管が通っている場所を冷やします。
すると、冷やされた血液が全身にめぐり、身体がスムースに冷やされて汗が引いていくんです。暑い時に出る温熱性発汗を何とかしたい時におすすめですよ。
リラックスしてしっかり眠る
副交感神経を優位にして体の緊張をほぐし、しっかりと眠ることも脇汗対策として効果的。強いストレスが続いていると常に交感神経が活発になっているので、副交感神経が優位になるように意識することが大切です。
例えば腹式呼吸をしたり、眠る1時間前に38度のお風呂に10分浸かることで、自律神経のバランスを整えることができるので、普段の生活に取り入れてみると良いでしょう。
また、寝る前などに自律神経を整えるヨガを行うのもおすすめです。
こちらは寝たままでできる簡単なヨガですが、自律神経のバランスを整えて眠りにもつきやすくしてくれるので、リラックスしたいときに試してみてくださいね。生理中でホルモンバランスが乱れているときにもぴったりですよ。
食生活の改善
脂っこいものや辛いものばかり食べていると汗をかきやすくなるので、野菜や魚を中心としたヘルシーなメニューを意識して取り入れてみましょう。
また、豆類は汗をサラサラにしたり、発汗を抑える効果が期待できるので、大豆などを積極的に食べるようにすると良いですよ。
軽い運動を取り入れる
汗は体温を調節するためにも欠かせない生理反応ですが、普段から運動をせず、汗をかく機会が少ないと汗腺の働きが衰えてしまいます。
そんな状態で体温が急に上がると、汗腺が多く存在する脇から大量に発汗して、脇汗が目立ってしまう原因に。
普段から軽い運動を習慣にして、汗腺を適度に働かせておくことも、脇汗対策には有効ですよ。
どうしても脇汗が気になる方はボトックス注射も検討してみて
ボトックス注射とは、ボツリヌス菌が作り出す物質(毒素)を脇に注射することで、汗腺を刺激するアセチルコリンの放出を止めて発汗を抑えるもので、多汗症の治療にも用いられています。
引用元: テレ東プラス
汗は体温調節に欠かせないものですが、脇の汗は体温調節には関わっていないので、止めてしまっても問題ないのだそう。
どうしても脇汗が気になる方は、検討してみる価値はあると思います。
まとめ
脇汗は気になりだすとさらに発汗が促進されて悪循環になってしまいますから、まずは開き直ってしまうことが大切!その上で自分に合った漢方や生活習慣の改善で、少しずつ焦らずに脇汗をケアしていきましょう。