ニキビの治療薬にはさまざまな種類がありますが、実際に効果があるのかどうか気になりますよね。
今回は、ニキビに効くと噂の「テラ・コートリル軟膏a」についてご紹介します。
ニキビへの効果や成分など、気になる点をまとめました。結論から言うと、テラコートリルはニキビケアにはおすすめではありません。
目次
テラ・コートリル軟膏aについて
テラ・コートリルは皮膚科だけでなく市販でも買える
テラ・コートリルには皮膚科で処方される「テラ・コートリル軟膏」の他に、薬局などで買える市販薬の「テラ・コートリル軟膏a」があります。
市販薬のテラ・コートリル軟膏aはジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社が販売元であり、第②類医薬品に分類されています。
第②類医薬品とは、第2類医薬品よりもさらに注意を要するという意味で、指定第2類医薬品といわれています。
テラ・コートリル軟膏aの成分
テラ・コートリル軟膏aはヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)と、抗生物質のオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合した化膿性皮膚疾患用薬で、黄色の軟膏剤です。
ヒドロコルチゾン(副腎皮質ステロイド)は、優れた抗炎症作用と抗アレルギー作用を有し、炎症に伴って起こる局所の熱感や発赤、腫脹などを防止・抑制します。
オキシテトラサイクリン塩酸塩は、グラム陽性菌、グラム陰性菌、スピロヘータ、リケッチア、クラミジアなどに対して抗菌作用があり、細菌のタンパク質の合成を阻害することにより抗菌作用を示します。
ステロイドのランクについて
市販されているステロイド外用剤の作用の強さにはランクがあり、弱いほうから「ウィーク」「マイルド」「ストロング」の3段階に分類されます。テラ・コートリル軟膏aはこのうちのウィークになります。
テラ・コートリル軟膏aの副作用・注意点
次の条件にあてはまる方は、テラ・コートリル軟膏aを使用しないでください。
- テラ・コートリル軟膏a、またはテラ・コートリル軟膏aに含まれる成分によってアレルギー症状を起こしたことがある。
- 抗生物質や副腎皮質ホルモンによりアレルギーを起こしたことがある。
副作用
テラ・コートリル軟膏aを使用した後に、皮膚に発疹・発赤、かゆみがあらわれたり、患部にみずむし・たむしなどの白癬症、にきび、化膿症状、持続的な刺激感があらわれた場合、副作用の可能性があります。
その場合はすぐに使用を中止し、医師や薬剤師、登録販売者に相談することをおすすめします。
注意点
テラ・コートリル軟膏aの長期連用は避けてください。使用期間は5~6日を目安とし、症状の改善がみられない場合は使用を中止して医師や薬剤師、登録販売者に相談しましょう。
また、次の部位には使用しないでください。
- 水ぼうそう、みずむし・たむし等のある患部
- 湿潤やただれのひどい患部
- 深い傷やひどいやけどの患部
- 目や目の周り
- 顔面の広範囲
テラ・コートリル軟膏aの正しい使い方
テラ・コートリル軟膏aを使用する場合は、1日1~数回、適量を患部に塗布するか、清潔なガーゼなどにのばして貼付してください。

必要以上に多く塗ったり、健康な皮膚にまで塗り広げるのは避けましょう。
注意点をしっかり理解して正しく使用すれば、副作用のリスクは少なくなりますよ。
テラ・コートリル軟膏aはニキビやニキビ跡に効く?
「テラ・コートリル軟膏aはニキビに効く」という噂がありますが、パッケージなどを見ても「ニキビ治療薬」という記載はありません。
本当に効果があるのかどうか、販売元のジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社に問い合わせてみました。
テラ・コートリル軟膏aはアクネ菌には効かない
「テラ・コートリル軟膏aはニキビやニキビ跡にも効果ありますか?」と質問したところ、
「テラ・コートリル軟膏aはニキビの原因となるアクネ菌には効果がありません。ニキビ跡への効果も期待できません。」との回答をいただきました。
テラ・コートリル軟膏aは顔面の広範囲に使用できないという点を考えても、ニキビ治療には向いていません。ステロイド剤の副作用の1つにニキビがあるため、間違った使い方をすると悪化する可能性もあります。
やはり、市販のニキビ治療薬を使用するか、根本から治す場合は皮膚科を受診することをおすすめします。
テラ・コートリル軟膏aはどんな症状に効果があるの?
化膿を伴う湿疹や皮膚炎など
テラ・コートリル軟膏aの効果・効能については、次のように記載されています。添付文書より引用します。
【効能・効果】
化膿を伴う次の諸症:湿疹、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん
化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)引用元: テラ・コートリル軟膏a添付文書
とびひとは幼児に多くみられる皮膚の感染症で、ブドウ球菌や溶連菌が主な原因菌です。虫に刺されてひっかいたり、ケガなどによってできた傷から細菌が侵入して起こります。
めんちょうと毛のう炎は、黄色ブドウ球菌などが毛穴に入り込むことで引き起こされる感染症です。
テラ・コートリル軟膏aとテラマイシン軟膏aとの違い
テラ・コートリル軟膏aに似た市販薬に、テラマイシン軟膏aがあります。
テラ・コートリル軟膏aとテラマイシン軟膏aは、どちらもオキシテトラサイクリン塩酸塩を配合しています。
テラ・コートリル軟膏aはこの他にステロイド成分を配合していますが、テラマイシン軟膏aはポリミキシンB硫酸塩という抗生物質を配合しています。
化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)に効果がある点は同じですが、テラ・コートリル軟膏aはステロイドが配合されていることから、化膿を伴う湿疹やあせもなどにも効果を発揮します。

似たような薬でも、成分が違えば効果も違います。自分の症状に合ったものを正しく選ぶことが大切です。
まとめ
テラ・コートリル軟膏aをニキビに使用することはおすすめしません。ステロイドが配合されているため、顔の広範囲に使用したり、長期間使用することはリスクを伴います。
ただし、ステロイド外用剤は正しく使えば怖い薬ではなく、症状に合えば非常に優れた効果を発揮してくれるものです。
テラ・コートリル軟膏aは市販薬で手に入りやすいですが、安易な自己判断はせず、不安なときは医師や薬剤師、登録販売者に相談するようにしましょう。
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